想ひ火

寺本祥生の世界

雪 嵐

   風に吹かれ


    雨に濡れ


     雪に降られ


      身体は固まり


       頭の芯まで痺れてしまった


   風に晒され


    雨に打たれ


     雪に吹雪かれ


      頭の芯まで凍りついてしまった


   
   バス停での待ち時間


   こんな日に限って何時まで待っても来やしない


   とっくの昔に手足の指は痺れ痛みを伴い始めている


   唯一の頼りは腰に貼ったホッカイロ


   厚手のコートを着ているものの


   より強く襟元を掻き合せ身体を硬直させてしまう


   待つ身の辛い事


   何をする訳でもなく寒さを堪えてただ待っている


   何時まで待ってもバスは来ない


   こんな日だからバスとて真面に走ってはいないだろう


   ただじっとバスを待っている

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