想ひ火

寺本祥生の世界

霧の中で

   昨日のこの時間ぐらいだろうか


   霧が河のように大地の表を流れていて


   視界も100mぐらいまで落ち


   そんな田舎道を走っていた


   見慣れた筈の光景が少し神秘さを帯びて見えていた


   この地域も又霧がよく発生する処で


   屡々見かけるのだけれども、その度に惹き込まれてしまう


   何かぞくぞくするような、好奇心を擽ってくるような


   そわそわした感じに囚われながら


   わたしもこの霧と同じように


   拡散して流れていきたいと思っていた

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