想ひ火

寺本祥生の世界

月に吠える

       月  光


   冬の月は透明感を持ちながら

   青白く

   小さいながらも

   くっきりと天空に浮かび上がっている


   余はそんな月に向かって遠く吠える

   透徹った月の光が銀の矢と化して

   余の心を串刺しにし

   大地に突き刺さる

   余の心から透明な液体が迸り大地を濡らす

   余は怯え

   天の月に向かって

   無駄に何度も遠く吠える


   余は悪しき心の持ち主にて

   そんな余の心を照らし出す冬の月の光に怯えている



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