半 月
天高く上る半月よ 透き通る小さく固まったそのくっきりとした姿態が美しい 片身の其方も寂しかろうに 余と伴に宴の盃を酌み交わそうぞ
蛙の大合唱
グァグァ グァグァ グァグァグァ グァグァグァ グァグァグァ グァグァグァ グァグァグァ グァグァグァ ひっきりなしに沢山の(どのくらいの数かも解らぬ程の) 蛙が他の蛙に負けまいと鳴いている グァグァ グァグァ グァグァ... 続きをみる
五月風
風はお友達 とても仲良しのお友達 風はとても甘えん坊 わたしにすぐ纏わり付いてくる 五月はそんな季節 わたしが風をとても好きになる季節 わたしはこの五月の風がとっても大好き
薫 風
緑為す生命 風を誑し込むだのは 確かにわたし あまりにも五月の風が気持良くて 思わずわたしの全てを開いてしまった 五月の風は惑う事なくわたしに纏わり付いてくる わたしの感覚の全てが風を受け入れてしまう 五月の風は緑為す生命の悦び そし... 続きをみる
雑 草
芽生ゆる春も過ぎ 伸びゆく蔓草の柵が 何処ぞに知らぬが仏と紛れ込む