想ひ火

寺本祥生の世界

 薫 風

     
     緑為す生命



   風を誑し込むだのは 確かにわたし


   あまりにも五月の風が気持良くて


   思わずわたしの全てを開いてしまった


   五月の風は惑う事なくわたしに纏わり付いてくる


   わたしの感覚の全てが風を受け入れてしまう


   五月の風は緑為す生命の悦び


   そしてわたしに齎される生命の恵みの優しい雨と陽光


   わたしは煽るる生命に満たされている

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