想ひ火

寺本祥生の世界

  春の情け人


     散る花に埋もるるか


      溢れむばかりの情け心也


       絆さるる温き膚

あ な た


     春うらら


      ゆらゆらと時と伴に流れ行く


       花の想ひに絆さるる水面に浮かぶ涙の雫

  夜 桜




     朧月夜の花の宴


      幽かに浮かびくる艶姿


       二つ、三つと散る花の雫も狂ほしく