風とお友達
冷たい風が、わたしにこう囁くむだ 「 わたしとお友達になって・・・ 」 そう云いながら、わたしの周りをぐるぐる回っている 「 君に友達はいないのかい? 」 「 わたしは、何時も何処でも一人ぼっち・・・ 」 気が付くと一陣の風がわたしの周りをぐるぐる回り続けている 他に吹いていた風が何... 続きをみる
土 塊 (つちくれ)
枯葉は風に転がされ 庭の片隅に追いやられ 水と伴に土に戻っていった わたしも そんなものなのかもしれない 違うところは風ではなく、箒で掃かれてしまったようだ そのくらいの暖味な表現は許されるだろう そして土に戻ったのでもなく ただ単に消えてしまうの... 続きをみる
人 為 人
此の夏の暑さ、熱さを思い返すと 此れからやって来る厳しい寒さが予想される冬の寒さに、親しみを覚えてしまう おそらくその場になると、やっぱり冷たさが躰に染み渡って、 我慢ならない冷たさを感じるのだろう 人なんて勝手な生き物でその場にならないと、思い込みで動いてしまうものかもしれない ... 続きをみる
凍 眠
風の唸りはほんの少しの隙も見逃さない 取囲むだ獲物を中心にぐるぐると周り続ける 寒さに凍えながら、掠れて行く意識を再度覚醒させ 身体を小さく丸めて、少しでも体温が拡散するのを防ぐとしよう そしてそれが無駄な事も、意識の片隅で解っているのだ 「 北風小僧現る 」 ... 続きをみる