想ひ火

寺本祥生の世界

2021年11月のブログ記事

  •    風とお友達

     冷たい風が、わたしにこう囁くむだ  「 わたしとお友達になって・・・ 」  そう云いながら、わたしの周りをぐるぐる回っている  「 君に友達はいないのかい? 」  「 わたしは、何時も何処でも一人ぼっち・・・ 」  気が付くと一陣の風がわたしの周りをぐるぐる回り続けている  他に吹いていた風が何... 続きをみる

  •   土 塊 (つちくれ)

       枯葉は風に転がされ     庭の片隅に追いやられ      水と伴に土に戻っていった      わたしも そんなものなのかもしれない   違うところは風ではなく、箒で掃かれてしまったようだ   そのくらいの暖味な表現は許されるだろう   そして土に戻ったのでもなく   ただ単に消えてしまうの... 続きをみる

  •    人 為 人

     此の夏の暑さ、熱さを思い返すと  此れからやって来る厳しい寒さが予想される冬の寒さに、親しみを覚えてしまう  おそらくその場になると、やっぱり冷たさが躰に染み渡って、  我慢ならない冷たさを感じるのだろう  人なんて勝手な生き物でその場にならないと、思い込みで動いてしまうものかもしれない    ... 続きをみる

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  •   凍 眠

     風の唸りはほんの少しの隙も見逃さない  取囲むだ獲物を中心にぐるぐると周り続ける    寒さに凍えながら、掠れて行く意識を再度覚醒させ  身体を小さく丸めて、少しでも体温が拡散するのを防ぐとしよう  そしてそれが無駄な事も、意識の片隅で解っているのだ           「 北風小僧現る 」  ... 続きをみる

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