想ひ火

寺本祥生の世界

2023年1月のブログ記事

  •  ゆきんこ 雪子 君に捧ぐ

     雪が降る  雪が降る  天気予報通り雪が降っている  昔  やはり雪は降っていた  夜の暗さの中で雪が街の灯りを反射し、妙に明るさを保っていた  風は強く雪が上から下ではなく横殴りに降っていた  そんな雪道を一人とぼとぼと歩いていた  雪子、彼女の面影が脳裏に浮かび上がっている  おまえを汚した... 続きをみる

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  •   愚  痴

     やっちまったなあ。  やっちまったんだよ。  根切虫の奴がやっちまったんだよ。  俺の大事な比奈の作ろうとしているキャベツの根を、  と云うよりも根元の茎を食っちまったんだよ。  それで比奈が怒っちまって、俺に八つ当たりしてくるんだよ。  まあ、八つ当たりと云っても比奈の事だから、  俺にとって... 続きをみる

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  • 月の女神からの贈物

       君が名に於いて     君ならばこそ      果てぬ想ひは       月の女神が雫の        光り輝く君に在り  ( 注 ) 凍てつく冬の透き通った月は美しい。        其の冬の月の光の雫が地上に降り立つやいなや、        地表に砕け散る様は宝石が砕け散るが如く、   ... 続きをみる

  •   夢を見ていました

       ひさかたの光のどけき春の日に         静心なく花の散るらむ   日向の窓辺の内なる転寝か    今は夢の中                     ( 転用あり )