想ひ火

寺本祥生の世界

 天 と 地


沢山の雨粒が大地に叩きつけられ
砕け散った雨粒、水が地表を埋め尽くそうとする
大地はこの雨を降らす天の企みに気付いているのだろう
己が体内に滲みこませ取り込むだ水を浄化し
己がものにしてしまう
すると天も心得たもので
時にはそんな大地に仕返しをするのだ
己が力をもっと大きくしようと
温められた南の海に低気圧を発生させ呼び寄せ
どんどんと力を大きくしながら作戦を練るのだ
そう、台風だ
日本ではそう呼ばれている熱帯低気圧、
それを援軍にして大雨を降らし
大地を痛めつけ、大地が囲う生命に打撃を与え、
大地の形状をも変えてきた
最近ではこの日本にても線上降水帯なるものを出現させ
大地を攻め、その大地の形状を大きく変えてしまう程の力を使い始めている
そんな攻防が天と地の間で繰り広げられている
もっともお互いの目論見はある程度分かっているのだろう
ただ、人類がその間に入り込むで変化を大きくしているのだ

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