想ひ火

寺本祥生の世界

   烏


   冬の佇まいが少しずつ其の形を整えようとしている


   冬の場の入口に佇み、山陰を遠くに大地を眺めていた


   烏が二羽、番いなのかどうかは分からないけれど


   何だか仲良さ気に戯れ合っていた


   
      カァー カァー                 
                       カァー カァー カァー
      カァー カァー カァー
                       カァー カァー
                       
                       カァー


   楽しそうだなあー、と思ひながら


   そんな二羽を暫らく眺めていた


   見えなくなる迄視線を送り続けていた

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