そして何も起こらなかった
石ころがコロッと道に転がって
俺は大地にしっかり居座ってやると
たいそうな大見得を切って居た
そこへ一匹の蟻がトコトコっとやって来て
石ころの周りを一回り
そして石ころの上に登って一休み
石ころ 「 おいこら、其処の蟻、俺様の上に登るんじゃない。」
蟻 「 あら、誰かと思ったら、此の石ころさんだったの。」
石ころ 「 いや、俺様だサッサと降りろ。それと俺様は石ころじゃない。俺様だ。」
蟻 「 石ころさんじゃなくて、俺様さん?。」
そして蟻はサッサと去って行った