想ひ火

寺本祥生の世界

 鬼ごっこ

 雀が群れになって
 チュンチュン チュンチュンと騒ぎ立てるものだから


 そこで烏が「 ギャー 」と一啼きすると


 いやいや、それで群れを成した雀共が怯む筈もなく
 遠目にチラチラと烏の様子を伺うだけ
 単なる威嚇だと察しているのだろう


 とは、わたしの考察なのだが
 雀達よ、御前達は相当に五月蝿いよ
 高を括っていたら烏が本当に怒って
 御前達を蹴散らしてしまう事だろう


 でもでも、雀たちも負けてはいなかった
 流石に立ち向かいはしないけれど
 群れが小分けになって逃げ惑いながらも
 チュンチュン、チュンチュン、チュンチュンと騒ぎ続けている


 さてさて烏と雀達の鬼ごっこの始まりだ
 何時まで続くのだろう
 そこでわたしは知らむ振り

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