想ひ火

寺本祥生の世界

 終 末

  西の空の際が明るく


  遠くの山々の陰をくっきりと照らし出し


  その手前の空には折り重なった雲が厚みを増しているかのような


  そんな厚い雲々の切れ間から


  天使の梯子が幾本も幾本も放射状に拡がっていた


  どれだけの天使達が降りて来るのだろう


  降りてきたら何をするのだろう


  神の啓示に従って降りて来るのだろうか


  みずからの意志で降りて来るのだろうか


  どうして下りて来るのか


  わたしは知らない


  知りようもない


  只綺麗だなあ、と眺めていた

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