想ひ火

寺本祥生の世界

   風とお友達


 冷たい風が、わたしにこう囁くむだ


 「 わたしとお友達になって・・・ 」


 そう云いながら、わたしの周りをぐるぐる回っている


 「 君に友達はいないのかい? 」


 「 わたしは、何時も何処でも一人ぼっち・・・ 」


 気が付くと一陣の風がわたしの周りをぐるぐる回り続けている


 他に吹いていた風が何時の間にか止むでいる


 「 そうか、一人ぼっちなんだ 」


 そう云いながら、落ちていた枯葉を幾つか手に掴むで


 わたしの周りをぐるぐる回る風に掛けていた

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