想ひ火

寺本祥生の世界

 む か ご

 むかご
 何時の間にか庭に居座っていて
 わたしは、むかごなどは知らなかったのだが、
 おみつが知っていた
 ずうっと以前に、彼女がむかごご飯なるものを炊いてくれた事で
   わたしに教えてくれたのだ
 今まで、単に其の植物の名称だと容易く考えていたのだが
  そうではなかったようだ



 季節が廻る毎に彼女は食べさせてくれる
 特別、美味しいものではないのだが
 彼女の幼い頃の思い出や、季節の風情を覚えて、
 わたしなりに喜むでいるのが現状だ


 今年は二階から吊るした日除けに
  蔦を伝わらせて登らせてみた
 元気が良いもので、2階に迄蔦は這い上がっている
 今年も又おみつが食べさせてくれるだろう

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