想ひ火

寺本祥生の世界

想ひ出 ( 想ひ火より)


     我は不滅為り
     そう思い、其の筈だった
     我は想ひ火の中に生きしもの
     其れは遠き日の事
     遥か遠い昔の事



     想ひ火の炎が
     肉を焦がし
     心を焼き尽くしてしまう
     今此の時
     胸を掻き毟り
     皮を掻き破り
     肉を刮げ取り
     骨をへし折って
     心の蔵を引き摺り出して
     あなたの足下に叩き付けよう
     之があなたへの最後の貢物
    


     永久にあなたこそを想はむ、との言霊を付して

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