想ひ火

寺本祥生の世界

 土  筆

 ツクツク、ツクツクと伸びる杉菜の子
 短い春を勤しむかのように伸びている


 春をあなたと二人で楽しもうと春麗の土筆摘み
 夕餉の春の一品にと二人で土筆摘み
 下拵えの煩わしさに負けじと頑張った


 出来上がり、更に盛ってみれば何とも稀少なり
 二人で何とか食べ分けて
 一頻りの楽しき夕べかな
 短い春を楽しもう
 否々、此の量だと名残惜しさに未練が残る

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