想ひ火

寺本祥生の世界

夏 空


     夏の空


     太陽が思う侭に力を増し


     青空も其の輝きを増し


     神々しい程に光に満ち溢れ


     地上の生き物の事など我関せずに


     光の帝国を造りあげている

シャボン玉

  ふわふわ ふわふわ ふわりんこ


  ゆるやかな風にのって ふわりんこ


  あなたが吹いたシャボン玉


  ゆらりゆらりと宙をさまよって


  なかなか破れずに ふわりんこ


  ちょっといたずら心が湧いてきて


  一番大きなシャボン玉


  手を伸ばして パチンと破りました


  ぷうっと大きく膨れたあなたのほっぺ


  怒ってわたしを睨むでる


  思わず笑って御免御免と謝ったけれど


  許してくれそうにもないキッと睨むだあなたの眼


  
  さあさあ、いったいどうしましょう

想ひ出 ( 想ひ火より )


   想ひ出を重ね貼るように


   あなたの想ひ出をわたしの想ひ出に重ね合わせ


   あなたを想ひ出の籠の中に閉じ込めてしまう


   だからといって、わたしの心が晴れる訳ではない


   あなたは此処に居ないのだから


   遠い明日を、あなたとわたしの二人で望んだ筈なのに



   現在(いま)あなたはわたしの想ひ出の中に居る