想ひ火

寺本祥生の世界

HUMAN

蒼銀色を帯びた月の光が大地を照らし出し


冷たい大気の塊りが 大地の隅々にまで浸み渡り


人の住む屋内まで入り込み


凍てつく大地は何時ものように何事もなく眠りついている





、と云う訳でもない


人の活動は夜も続いている


地球規模にまで膨らむだ人類は


個としては眠りはするが


類としては一日中活動している


そんな人間とは一体何なのだろう


地球にとっては寄生虫でしかないような気もするのだが・・・


地球と云う生命体にとって


人類はあまりに小さすぎる


そんな人類が地球を覆い尽くそうとしている

諍い


     おもひのちがひは 


     いまさらのこととして


     まじわらぬことだまの


     かるきことをおぼふるも


     とおのくまにあらわるるきょむなるや

冬日の小さな幸せ


   澄むだ青い空の真ん中に 太陽が大きく輝き


   途切れとぎれに浮かぶ小さな白い雲の群れが


   木枯らしに吹き流されている



   窓硝子一枚を隔てて


   室内に強い陽光がサンサンと降り注ぎ


   暖かさを じっとりとした暑さをも加えて室内に閉じ込めている



   冬が大地の其処ら中を練り歩き


   わたしは部屋で炬燵蒲団に包まって


   窓の外に見える冬の表情を楽しむでいる



   冬日の一日が 穏やかに過ぎて行く