見てくれた
え? 何の事
黒百合よ 咲いていたでしょ
御免 御免 何処に咲いているの?
庭のスモークツリーの根元近くに咲いているわよ
御免 知らなかったよ 見ておくね
妻は珍しい色々な花などをよく育てようとする
まさか 黒百合までも植えていたとは
別に妻のやる事に関心がない訳ではない
翌日の朝 妻はわたしの手を取って黒百合を紹介してくれた
黒百合とは云え 黒い色をしている訳でもなかった
その百合には気付いていた
色の濃ゆい特徴的な百合だとは認識していたのだ
でも其の百合が黒百合だとは思はなかったのだ
2~3日後幾つか咲いた黒百合の数本を
妻は切り取って玄関先に生けておいてくれた