想ひ火

寺本祥生の世界

  未 来


   我が子の親に成りたる姿かな


    春の陽の温もりの内に


     健やかなれ

 風 鈴

チリンチリン   チリンチリン
チリンチリン   チリンチリン
軒先に吊るした風鈴が良い音色で鳴いている
何処で聞いたか覚えてもいないけれど
冬の風鈴の音色は寂しいと・・・


前に住んで居た家に置きっ放しになっていた風鈴を
寂しいだろうと持ってきてしまった
銅製だからとても音色が良い
それもあって持って来てしまったのだ
チリンチリン   チリンチリン
寒風に始終鳴いている
ひょっとしたら周りに迷惑かなと思うけれど
此処等辺は簡素な処だから
それ程の事もないだろう
チリンチリン   チリンチリン
ああ、良い聲で鳴いている

  あなた

 あなたの暖かい大切な言の葉を


 わたしの記憶のノートに一枚一枚丁寧に綴り込むでいます


 あなたの想ひ出と伴に


 何時かは居なくなってしまうあなた


 其れだけがわたしは恐いのです


 出来れば何時までも伴に居たいと


 わたしはそんなことを何時も考えています