想ひ火

寺本祥生の世界

    生命の狭間


     二人して蒲団に包まる温もりは


      一時の生命の微睡みと


       一夜の夢に彷徨うも おもしろきと也

  柵


   陽の影、長く伸びる夕暮れ時


   寒さも一段と増してゆく


   灯りもストーブも点けず蒲団に包まりて


   寒さを紛らわさむと、ちびちびと酒に溺れての独り身は幻か

まだまだ冬だから


   真冬の最中の一休み


    陽溜まりの温もりが一息つかせてくれる


     なんてこともなく


    冷たさが緩むだ冬の風とはいえ


   そんな風の強さが体温を奪っていく


    冬はまだまだ続くのだから