想ひ火

寺本祥生の世界

  秘め事



   ひとの思ひは想ひにこそ在りと


   とおき日の想ひの火の炎がチロチロと


   心の奥底の片隅に置きし暖炉を焦がし続けている


   炎は消えることなく何時までも何時までもチロチロと


   とおいとおい 昔のものがたり


   ひとつの想ひの 造りごと

 レタスの幸せ

   
   サラダボウルに山盛りの


   太陽の恵みをいっぱい受けた


   大きくクシャクシャっとした柔らかそうな


   瑞々しくて緑々しくて


   マヨネーズ付けて食べたらとても美味しそう



   なんて思わない


   嫌いではないけれど


   そんなに沢山は食べられない

  古 (いにしえ)と為りし故  ( 想ひ火より )


   古の頃よりの想ひ火故のわたしに在りて


   交差する想ひ火の具現化に


   ほんの一時の心の迷ひと思えど


   其の時々の生命の光を浴びてこその火種為り


   
   永き生命故の想ひ火に在れば


   再び会ふであろう貴女に恥じぬように


   生命の火種を継続させゆかむ


   
   我は想ひ火の種を心に留め置かむ也